「ASDって、こういう子だよね」――そんなイメージ、持っていませんか?

私も最初はそう思っていました。でも、うちには「ASD」という同じ診断名をもらったふたりの娘がいて、ふたりはまるで別の生き物のように違います。どちらがASDらしいか、なんて比べようもないくらい。

今日は、そのことを正直に書いてみようと思います。

長女の場合――「見た目は大丈夫そう」が一番むずかしい

長女のASDでいちばん特徴的なのは、「外側から気づかれにくい」ことです。

表情がそれほど豊かではなく、周りの空気を読み取るのが苦手。でもパニックになりにくいし、じっとしていることが多い。だから小さいころは「この子、大丈夫そうだね」と言われることもありました。

でも実際は、内側でずっとがんばっていたんです。

ある日、先生から連絡帳にこんな一言がありました。「授業中、消しゴムがなくなって困っていたようなのですが、最後まで何も言えなかったようです」。

そのとき初めて、わかりました。困っていても、声が出ないんです。パニックにならないから目立たないだけで、本人はずっと固まっていた。それから声かけを変えました。「大丈夫?」ではなく、「今日どんなことがあった?」と、具体的に聞くようにしています。

次女の場合――五感がずっと大騒ぎ

次女は、長女とはまったく違う「しんどさ」を持っています。

いちばん目立つのは、感覚の敏感さです。特に食べ物の「食感」がすごく気になる。均一じゃないもの、繊維感のあるもの、ぬめりのあるものは強く拒絶します。食卓は毎日が工夫の連続で、野菜は細かく刻んで加熱して、衣で包む。それでやっと「食べられた」になる。

音やざわざわした場所も苦手で、学校から帰ってくるとぐったりしていることが多いです。

「同じASDなのに、どうしてここまで違うんだろう」と、最初は戸惑いました。

ひとことで表すなら、こんな感じです。

見ていると、同じ「ASD」という言葉を共有しているとは思えないくらい違います。

ふたりが似ているところも、ちゃんとある

全然違うふたりですが、共通することもあります。

「いつもと同じ順番」が大事、ということ。お風呂の入る順序、ごはんのタイミング。ちょっとしたルーティンが崩れると、気持ちが落ち着かなくなります。

そして、ふたりとも疲れやすいです。毎日、自分なりに周りに合わせてがんばっている。外側からは見えなくても、帰宅後のぐったり感がそれを教えてくれます。

「同じASD」なんて、存在しない

ASDの研究では「雪の結晶のようなもの」という表現が使われることがあります。同じ診断名でも、特性の組み合わせは一人ひとりまったく違う、という意味です。

それを知ったとき、すごく腑に落ちました。

うちのふたりも「同じASD」じゃない。「長女のASD」と「次女のASD」がある。そう思ってから、それぞれへの関わり方が少しずつ変わりました。長女には「言葉で具体的に」。次女には「感覚を先に整える」。同じ声かけでは、うまくいかないことも多い。

「ASDってこういうもの」と一括りにしないこと。これがいちばん大切なことだと、育てながら気づいていきました。

比べる必要は、ない

もしお子さんがASDの診断を受けているなら、ぜひ「この子のASD」を細かく観察してみてください。

教科書と違っても、他の子と違っても、それがその子の特性です。きょうだいで全然違っても、どちらも間違いじゃない。

比べるより、知ること。 それが、私がいちばん大切にしていることです。

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