「今年の担任、当たりだといいね」
4月になるたびに、そんな言葉を交わしていました。
ASDの子どもを育てていると、担任の先生との相性って、本当に大きいんです。
でも今は、「ガチャ」という言葉を使わなくなりました。
先生との関係は、運任せじゃなかった。
私たちが変えられることが、ちゃんとあったんです。
「この先生、わかってくれてる」と思った瞬間
長女が4年生のとき、担任の先生の授業を学校公開で見て、ハッとしました。
黒板に、キーワードをツリー状に書き出しながら、言葉と言葉を線でつないでいく。
「ここが大事」「これとこれはつながってる」を、目で見てわかるようにしてくれていました。
長女はもともと、耳から入る情報の処理が苦手です。
授業でボーッとしてしまうことも多い。
でも視覚的に整理された情報なら、ぐっとわかりやすくなる。
その先生のやり方は、長女の特性にぴったり合っていました。
「なんで最初からこういう先生に当たれないんだろう」
そう思いかけたとき、夫が言ったんです。
「この前、先生に渡した資料、ちゃんと読んでくれてるんじゃないかな」
私たちが作ってきた「引き継ぎの仕組み」
実は、資料を渡すだけじゃないんです。
年度が替わるたびに、私たちはこの流れを繰り返しています。
- 年度末:校長先生と面談(来年度に向けて学校全体への共有)
- 年度末:今の担任と面談(次の先生に引き継いでほしいポイントを整理)
- 4〜5月:新しい担任と面談(改めて合理的配慮の内容を説明)
それぞれの場面で、「うちの子のこと」をまとめた合理的配慮の資料を持参して話します。
内容はこんな感じです。
- 苦手なことと、その背景
- この1年で効果があった対応・声かけの方法
- 逆に、混乱しやすいパターン
- 本人が「怖い」「困る」と感じやすい場面
最初は「こんなに動いて、重い親だと思われないかな」と不安でした。
でも動いてみると、先生の対応が変わったんです。
情報を持っている先生は、動きやすい。
それを実感したのが、長女の4年生の1年でした。
次女の担任の先生が教えてくれたこと
次女の1年生のときの担任の先生も、印象に残っています。
その先生は、指示の出し方がとても上手でした。
「〇〇して」ではなく「まず〇〇して、次に〇〇して」という具合に、ひとつひとつを明確に、順番に伝えてくれる。
次女はASDで、曖昧な指示に混乱しやすいタイプ。
「なんとなくやって」が一番難しいんです。
その先生の言葉はいつも具体的で、次女が迷わずに動けていた。
「先生の言ってることがわかる」というだけで、どれだけ安心できるか。
そしてこれも、事前に私たちが「こういう指示の出し方が合っています」と伝えていたことでした。
ガチャじゃない、と気づいてから
先生との相性が「よかった」と感じた年は、必ずこちらが情報を渡していました。
逆に、うまくいかなかった年を振り返ると、「察してもらおう」としていたことが多かった。
先生はプロだけど、うちの子のことは知らない。
知らないまま関わると、どんなに善意があっても、すれ違うことがある。
だから私たちは、毎年新学期に資料を渡すことを続けています。
「重い親だと思われるかも」という不安より、子どもが安心して1年を過ごせる方が大事だから。
先生を「当たり」にするのは、もしかしたら私たちの仕事かもしれない。
そう思えるようになってから、4月が少しだけ怖くなくなりました。
同じように毎年ドキドキしているお父さん、お母さんに、届いたらいいなと思いながら書きました。
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